ジャンプ+超連載グランプリに参加してました
昨日あんな記事を投稿してましたが、僕は一応漫画家志望者です。
タイトルの通り、みなさんご存知「少年ジャンプ」の派生アプリであるジャンプ+が主催している「超連載グランプリ」というものに参加しておりました。
おりましたというか、まだ審査中なのですけれども。
こんな感じの表紙で、「Faint Wing-最後の幻想-」というタイトルでした。
この超連載グランプリは、確かプロアマ問わずで基本だれでも参加できる賞で、
グランプリを取ると「ジャンプ+」での連載確約、そして単行本も確約というとんでもねえものです。
今まで賞を取ったこともない無名の人間がいきなり本を出してしまう可能性もあるのです。
そして見たところエントリー数も70弱で、見返りを考えると倍率も驚異的に低いです。
これは個人の感覚ですが、漫画家志望者の中で実際に単行本出版までもっていけるのは数千人に1人てところだと思うので。
そう考えたら70分の1というのがどれだけの数字かというのもわかっていただけるかと思います。
今は一次審査の審査期間が終わって二次審査にいけるかどうかの発表待ちという時間です。発表は明日とかだったかな?
僕はもともとこの賞に応募することは考えていなくて、たまたまこの賞の存在を知って、たまたまその時描いてた漫画がちょうど賞の規定とぴったり合うなと思って参加しました。
正直に自分の予想をいうと、一次審査は50%くらいで通るかなあ、といった感じで、
二次審査を通過することはないと思います。
もちろん僕の持てる限りの力を全て注いで描きましたし、描いてるときはこれが世界一面白い漫画だという気持ちで描きました。
ただやっぱりレベルの高い作品がたくさんあり、それこそ即連載になってもやっていけそうな作品もいくつかありました。
僕の作品はお世辞にもそのレベルに達しているとはいえません。
まだ審査は終わってないのですが、描き終わって、宣伝以外もうこの作品にできることもなくなって、ほかのエントリー作品も一通り見て気持ちに整理がついてきた今思うことは、
もう誰かに拾ってもらうのを待つのはやめよう。
ということでした。
この作品は非常に構想期間も長く、プロットも何か月も練り続けてようやく描いたものでしたが、
それでもまだまだ詰めも甘く、企画として不完全なものであることはネームを描いた当初からわかっていたことでした。
しかしこれ以上頭で考え続けるだけじゃキリがない、沼にはまってなにも描けなくなってしまう前に失敗覚悟で一度描いてしまおう。
そういう気持ちでこの作品のネームは切られました。
でも、それでも、これだけ苦労して悩んで描いた作品なのだから、技術には乏しくてもなにか1つ受け取ってもらえないだろうか。わかってもらえないだろうか。
僕は審査期間中ずっとそう願っていました。
当たり前ですが、そんな都合のいいことは起こりません。
僕は自分の作品に魅力がないとは思いません。良さはちゃんとある。
でも、それが他人に伝わるようにはまだなっていない。
わかりやすいところでいえば、この作品はとても文字が多いです。全てをしっかり読んでもらえればある程度納得はできるようになっていたと思うし、僕がやりたかったこともある程度は伝わったと思います。
しかし、頑張って読まなければそこにはたどりつけません。
読者は知らない人の漫画をわざわざ頑張って読んではくれません。
絵や話の技術は、作家のやりたいことを赤の他人により正確に伝えるために存在するものだと僕は思っています。もちろん個人的な考えですが。
だからプロになるには技術が要る。プロは作品の魅力をより多くの人に伝え、
売る必要があるから。
僕の作品に技術はありませんでした。
新人作家さんならば、技術に乏しくても才能を見出せれば編集さんに拾ってもらえることは確かにあります。そこから編集さんの力も借りながら力を得ていく、という道はあります。
僕もずっとそうなることを願っていましたが、もう、それをわざわざ待つことはやめようと思いました。
なんというか、それをただ祈りながら待っている時間は、宝くじが当たって借金が返せるのを待っているような、そんな感覚で。
とても不毛で、自分の小ささと無力さを思い知らされているような気持になりました。
だからもう待つのはやめて、どんどん描いて力をつけて、僕を使わざるを得ないような、生意気ですが、そんな作家になってやろうとこの賞を通して僕は思いました。
最近読んだ本に書いてあったのですが、失敗の数は数えろと。
いきなり成功する人なんてほとんどいない。失敗ばかりでなにも上手くいかないような気持になっても、
冷静に失敗の数を数えてみると、意外と自分は失敗もできていないことに気付くはずだ、と。
大分勝手な解釈になってるかもしれませんが、なんか、それに近いようなことを書いた本を読みました。
僕はこの「Faint Wing」で本を出すのが高校時代からの夢ですが、冷静になって考えると、この作品が他人に読めるよう公にしたのはこれが初めてです。
となると、僕はこの作品においてまだ1度しか失敗できていないことになります(正確にはまだ1にもなってない)
まだまだ、他の作品も描いて力を蓄えて、何度でもこの作品を描いていこうと、そう思いました。
ちなみにこの「Faint Wing」、賞での公開期間は終わってしまいましたが、
マンガボックスインディーズやpixiv、マンガハックの方などで読めますので、根性のある方は是非読んでみてください。
「Faint Wing」とはもう長い付き合いになるので、またどこかでこの作品について掘り下げる記事も書こうかと思います。
マンガボックスの方で2,3話の絵が雑すぎるというコメントをいくつかいただいていたのですが、この賞に合わせた都合上ネームなんだそれ。すまんな。マンガボックスだけエピソードごとに作者コメントを付けられなかったから説明できなかったんや……
それではまた。